このサイトでは、43歳以上で不妊治療を続けており、体外受精をしても妊娠・出産に至らないご夫婦に向けて、さまざまな選択肢をご紹介しています。
ここでは一度は考えたことがある方も多いかもしれません、「養子縁組」についてまとめています。
このページでご紹介している養子縁組は、子どもを迎えるための選択肢のひとつ。
厚生労働省でも2022年4月から夫婦向けのパンフレットを作成するなど、情報提供に努めています。
ぜひ、内容をチェックしてみてください。
私たちメディブリッジは、卵子提供・代理出産エージェンシーとして、お子様が欲しいと願うご夫婦のたくさんの声を聞いてきました。
エージェンシーである私たちにできることは、多くはありません。
命の選択に関わっているということに敬意を示しながら、
みなさんのお話を聞いて、みなさんの決断をサポートするだけです。
直接的に支援ができる内容は「卵子提供」と「代理出産」ですが、その選択肢を無理におすすめすることはありません。
あくまで“選択肢のひとつ”。
道が見えなくなったときは、ぜひご相談ください。
養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組があり、それぞれで親子の関係性や手続きなどが異なります。
普通養子縁組とは、縁組を行った後も「実の親と養子との間に親子関係が存続する」制度。
もともと家系を存続させるために設けられた制度で、養子の氏は養親のものとなりますが、養親・養子の同意があれば離縁も可能となっています。
養親は20歳以上であり、養子となる者は養親より年下であることが要件。
養子が未成年の場合は、家庭裁判所による許可が必要となります。
また、養子は養親・実親それぞれに対して扶養義務・法定相続権を有することになり、子どもにとっては「親が2組いる」という状態になるのが特徴です。
特別養子縁組の場合、縁組によって実の親子関係は終了します。
子どもの福祉増進を図るため、生みの親との関係を解消し、育ての親との親子関係を成立させる制度となります。
養親は夫婦ともに成人しており、どちらか一方の年齢が25歳以上であること、養子は原則15歳未満である必要があります。
特別養子縁組では、養子の実親の同意が必要であるとされていますが、意思表示ができない場合や虐待・悪意の遺棄といった子どもの利益を害する理由がある場合、同意なしでも縁組を行うことが可能です。
また、特別養子縁組を成立させるには、養親が養子を6ヶ月以上監護する必要があり、その状況を踏まえて家庭裁判所が縁組の成立を判断します。
自治体にもよりますが、養子を迎えるための里親登録は審査が厳しく、登録までに約1年間を要します。
さらに、登録をしてもすぐに養子を迎えられるとは限らず、場合によっては委託に至らないケースもあるのです。
とくに、生後間もない子どもを養子に迎えられる特別養子縁組は順番待ちが多いため、不妊治療と並行して手続きなどを進めることも考慮しましょう。
また、里親となるための条件についても確認しておく必要があります。
条件や審査内容については、特別養子縁組を仲介する機関によっても異なるため、資料請求や説明会などを利用して、自分たちの考え方と合致する機関を選ぶことが大切です。
実親との関係を解消する特別養子縁組は、子どもが欲しい親のための制度ではありません。
子どもの福祉増進を目的とし、養親と養子との間に「実の子と同様の親子関係を成立させる制度」です。
これを踏まえ、養子縁組を希望する夫婦は「さまざまな事情を抱える子どもを温かく受け入れる」という気持ちを持つ必要があります。
養子を迎えたいと考える夫婦は少なくありませんが、その多くが「健康で病気・障がいを持たない新生児」を希望しています。
しかし、この考え方は特別養子縁組の目的とは異なるため、「病気や障がいのある子どもは受け入れられない」といった考えが強いようであれば、特別養子縁組は見送ったほうが良いでしょう。
夫婦の理想だけを追い求めるのではなく、子どもたちが抱えるさまざまな事情を含めて受け入れる、そんな大きな気持ちを持って養子縁組に臨むようにしてください。
ここでは、特別養子縁組で子どもを迎えた人たちの体験談をいくつかご紹介します。
養子縁組についての考え方をまとめるためにも、当事者の気持ちを知っておいてください。
30歳から10年におよぶ不妊治療を経験した、不妊ピアカウンセラーである池田さん。
その間に、人工授精・体外受精といった治療、2度の流産と死産を経験し、子宮腺筋症を発症したことで子宮を全摘出。
その後は特別養子縁組について夫婦で話し合い、養子縁組の斡旋団体に登録し、審査を経て、待機状態に入りました。
しばらくすると、団体から「あと数日で生まれる赤ちゃんがおり、性別も健康状態も不明だが委託は可能か」という連絡が入り、池田さんはそれから6日後に生後5日の赤ちゃんを迎えたのです。
池田さんは赤ちゃんと対面した瞬間に、「愛おしい」「この子を守らなければならない」という気持ちが芽生えたとのこと。
血の繋がりなどを考えたりするような時間も必要もなく、目の前の命を育てることに没頭しました。
養子に迎えた子どもは1歳8ヶ月、気づいたときにはママ2年目となっていた池田さん。
養子であることは子どもや周囲にも隠しておらず、自然な形で伝えるようにしているとのことです。
およそ10年におよぶ不妊治療や死産などの経験を経て、養子を3年間にわたり待ち続けた45歳と43歳の夫婦。
キッカケはかかりつけ医からの提案で、約10回にわたる人工授精でも子どもを授かることができなかったため、「里親制度を考えるという手段もある」と勧められたそうです。
その後、特別養子縁組を決意した夫婦は地元の児童相談所で里親に登録。
しかし、子どもの紹介をなかなか受けることができず、連絡を待つのと並行して不妊治療も継続しました。
それから3年が経ち、地元の児童相談所から「大阪市の児童相談所から里親を探しているという連絡があった」という連絡を受けた夫婦。
大阪市では、何らかの事情で実親のもとへ戻れない子どもに里親委託の可能性を探っており、そこで出会ったのが2歳の女の子でした。
もうすぐ2歳になる女の子は、発語が少なく運動発達もゆっくりで、「本当に引き受けられるか」などと念押しをされましたが、夫婦の気持ちは揺らがなかったとのこと。
面接や家庭訪問調査などを経て女の子を養子として迎え入れ、今では家族でたくさんお出かけも楽しんでいます。
そのほかにも多くの経験談がSNSなどで読める時代です。
多くの方の意見としてお子様を迎えるまでに「かなり待った」というものがありましたので、養子縁組を検討する場合は、(先ほどの繰り返しになってしまいますが)不妊治療をやめてからではなく、並行しながら相談に行くと良いでしょう。
養子縁組で悩むのは「血の繋がりがある子どもが欲しい」ということかもしれません。その場合は卵子提供など、ほかの選択肢も検討した上で、ご夫婦にとっての“最良”を見つけ出してください。
当サイトでは、「卵子提供」でお子様を授かった方の体験談なども掲載しています。
ご興味がある場合は、ぜひご覧ください。
「卵子提供」「代理出産」などを選ぶ・選ばないに関わらず、“子どもが欲しい”という方々の希望に寄り添いたいと思い、この縁ガーデンを開設いたしました。
少しでもみなさんのヒントになれば幸いです。