43歳以上で不妊治療がうまくいかないと悩んでいる方に向けた転院に関する記事です。
私たちメディブリッジは、卵子提供・代理出産エージェンシーとして、お子様が欲しいと願うご夫婦のたくさんの声を聞いてきました。
エージェンシーである私たちにできることは、多くはありません。
命の選択に関わっているということに敬意を示しながら、
みなさんのお話を聞いて、みなさんの決断をサポートするだけです。
直接的に支援ができる内容は「卵子提供」と「代理出産」ですが、その選択肢を無理におすすめすることはありません。
あくまで“選択肢のひとつ”。
道が見えなくなったときは、ぜひご相談ください。
不妊治療でなかなか成果が出ない場合、頭に思い浮かべるのが転院ですが、実際に「転院しよう」と動くのは、「病院に申し訳ない」「ここまでこのクリニックで頑張ったのに」という気持ちがあり、選択しにくいという方もいらっしゃるはずです。
しかし、残された時間を考えると、転院を考えたほうが良いタイミングがたしかにあります。
このページでは、転院すべきタイミングの見極め方とその方法についてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
まず不妊治療における転院ですが、これは決してめずらしいことではなく、もちろん悪いことでもありません。
夫婦が治療に対して前向きに取り組むにあたって、転院を決意することはとても大切なことでもあります。
不妊治療とひと口に言っても、その方法はさまざま。
どの方法が適切なのかも、個人の体質・要望・ライフスタイル・時期などによって異なります。
そのため、「クリニックと合わない気がする」「別の治療法を試したい」といった理由で転院することは、前向きな判断と言えます。
もちろん、転院したからと言ってこれまでの治療がムダになる…ということはありません。
過去の治療実績を踏まえて次のステップに進むことにより、妊娠の可能性を探ることができるからです。
転院を判断する基準は人それぞれですが、こういった場合は転院を考えてもいい…というケースを以下にいくつかご紹介します。
通常、不妊治療は医師がその内容をメリット・デメリットとともに患者に説明し、患者はその内容に納得した場合のみ治療を受ける、というシステムです(これを、インフォームドコンセントと言います)。
しかし、「医師が十分な説明をしてくれない」「自分が希望する治療を提供してくれない」と感じた場合は、転院を考えるべきでしょう。
また、クリニックによって不妊治療のメニューも大きく異なります。
西洋医学のみのところもあれば、漢方などの東洋医療を組み合わせるというクリニックもあります。また院長先生がカウンセリングから治療まで一貫して対応してくれるクリニック、複数の先生がいるクリニックなど、方針もさまざまです。
不妊治療を始めた頃はそういった違いを知らずにクリニックを選んでいたかもしれませんが、治療を始めて知識を得てくると、今のクリニックに足りないものが見えてきた…。そんなときは、転院を視野に入れてもいいかもしれません。
通院したいクリニックが近所にあれば良いですが、場合によっては遠方のクリニックまで通うこともあります。
しかし、いざ通院を開始してみると「こんなに頻繁に通うとは思わなかった」「こんなに長期になるとは思わなかった」というケースも出てくるもの。
働いている場合は、仕事の合間に通院するのを負担に感じることもあるでしょう。
採卵を行ったあとに長時間電車に乗るのがつらい…と感じることも考えられます。
不妊治療はいつ終わるか分からないことが多く、通院の回数も多くなりがちです。
もし、今「遠くて通うのがつらい」という場合は、近くのエリアのクリニックを探してみるといいでしょう。
「そんな理由で病院を変えてもいいの?」と思うかもしれませんが、遠いことがストレスとして蓄積されてしまっている場合もあるので、アクセスは大切です。
43歳以上の自己卵子を用いての体外受精の成功率は0%ではありません。
そのため、「可能性はあるので頑張りましょう」と言ってくれる医師もおり、その言葉を支えに治療に励む人も少なくありません。
たしかに可能性は0ではありませんが、その言葉に根拠が伴っていないと、それはただの夢物語でしかなくなってしまいます。
本当に患者様のことを思うなら、可能性だけで治療を続けさせるのではなく、厳しい話も同時にしてくれたり、たしかな根拠に基づいた治療を提供したりといったことも大切です。
通院しているクリニックの医師・看護師といったスタッフとの相性が悪い、話がしづらい、説明が雑などで信頼できない…といった不安を感じる場合、転院を考えたほうが良いこともあります。
みなさんの大事な体や心、時間は、信頼できるクリニックに託すべきです。
別のクリニックの説明会やカウンセリング等を利用し、院内の雰囲気やスタッフの人柄などをチェックするのもひとつの手段です。
転院を考えるにあたり、「転院をしたら治療や検査も1からやり直しなのは大変だな」と思って、ズルズルと今の病院で治療を続けてしまっている人は安心してください。
基本的には、通院中のクリニックで受けた検査結果(血液検査や基礎体温表など)・治療履歴(人工授精・体外受精などの経過と結果など)・紹介状があれば、検査をやり直さなくて良いというケースが一般的です。
しかし、ゼロからやり直すというクリニックもあります。検査などの方針についてはクリニックによって異なるため、再検査の有無・費用については、予約時などに確認しておいたほうが良いでしょう。
次に、不妊治療を受けるクリニックを変える場合はどうしたら良いのかをまとめています。
不妊治療のクリニックを転院する場合、必要となるのが紹介状です。
通院した際や電話などで、転院の旨と紹介状・検査結果・治療履歴が必要であるということを伝えると良いでしょう。
ちなみに、現在の病院で今受けている治療がある場合は、転院先の不妊治療クリニックで受診や検査を受けることは可能ですが、新しい治療は控えることがほとんどですので、転院のタイミングは気をつけてください。
また、本当に転院するかわからない場合は、何も言わずに転院しようと思っているクリニックのカウンセングだけ受けてみるというのも手です。
最近では「セカンドオピニオン外来」を設けているような不妊治療のクリニックもありますので、そういったところを活用してみるのもいいかもしれません。
ご自身の選択が良い結果に結び付かなかったら…といろんなことを考えすぎてしまうこともあるのではないでしょうか。でも、みなさんが考え抜いた末にとった選択は、けして無駄にはなりません。次への選択肢の足がかりになるはずです。
私たちメディブリッジは卵子提供のエージェンシーですが、今までに来られた多くのご夫婦が不妊治療を継続しながら卵子提供を進めていました。
不妊治療の継続や転院については思い悩むこともたくさんあることと思いますし、年齢を考えると「後が無い」と思ってしまいがちかもしれませんが、ひとつの転院先や選択肢として卵子提供というものがあるよということだけでも知っていただくことで、もし心が少しでも楽になることがあるなら、こんなに嬉しいことはありません。
「卵子提供」「代理出産」などを選ぶ・選ばないに関わらず、“子どもが欲しい”という方々の希望に寄り添いたいと思い、この縁ガーデンを開設いたしました。
少しでもみなさんのヒントになれば幸いです。